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カルチャー×企業プロモーション。仕事用の備忘録とか思ったこととか調べたこととか。

カップヌードルが狙う"アオハル"のターゲット

http://www.cupnoodle.jp/hungrydays/majyotaku/images/ogp.png

日清カップヌードルの2017年のテーマとして「青春(アオハル)」を打ち出したCMの第一弾が発表されました。

 「あの魔女の宅急便のキキが17歳設定」「テーマ曲はBUMP OF CHICKEN」というコラボもあいまって大きな話題になってますね。

このCM、「青春(アオハル)」というテーマだし、思春期の恋愛ストーリーだし舞台は学校だし、アニメーションは『君の名は』をなんとなく彷彿とさせていて、"ティーンズの世界観"を表現したCM映像であることは間違いないのですが、

「じゃあこれは10代ターゲットの映像なの?」

というと違うんじゃないか、という意見が散見されてます。 

これ、きっと日清的にも計算済みの戦略なのではないかと思うので、そのあたりを推察してみようと思います。
 

 そもそも魔女の宅急便」に共感するのは10代じゃない

まず、このCMは"「魔女の宅急便」のキキとトンボが17歳"という設定がとてもインパクトがあります。

今回は原作の角野栄子氏の「魔女の宅急便」を元にしたとありますが・・・まあ、当然多くの人が想起するのはジブリの映画のほうでしょう。ジブリの「魔女の宅急便」は公開1989年。これを青春時代に見ていたリアルタイム世代は30~40代です

そして今の現役高校生からすればもはや生まれる10年前の作品です。言わずもがな、「魔女の宅急便=青春」は40歳前後のものであり、ネットをみてみれば「ジブリ作品とイメージと違う」といった議論も、その世代で行われている気がしますね・・・。

www.huffingtonpost.jp

 

キャストなども全然10代向けじゃない

そして、今回のイラストは90年代に代表作を持つ漫画家・窪之内 英策先生。そして予告編のナレーターはエヴァ綾波レイ林原めぐみさん。これもどう考えても30代以降に刺さるキャスティングです。

そして、きわめつけはテーマを歌う"BUMP OF CHICKEN"。彼らのデビューは2002年でRADWIMPSよりもさらに一つ上の世代です(RADは2005デビュー)。

というか、BUMPの曲は完全に僕(32歳)世代の青春ソングです。
たしかに若い世代にもファンがいて、幅広くリーチするバンドというイメージですが、本当に10代メインだったら"米津玄師"、"ぼくのりりっくのぼうよみ"あたりを選ぶのではないかなーという感じです(おそらく企画会議では絶対名前あがっていると思う) 。

じゃあ、なぜそこであえてBUMPであり林原めぐみであり、窪之内 英策であり、魔女の宅急便なのか?

これは
・30~40代層をターゲットにしつつも
・ブランドメッセージとしては若々しさ、新鮮さを届ける
という狙いなのでしょう。

 

夢を見せるブランディング

すなわち、今回は「ターゲット層(30~40代)のライフスタイルに合わせるのではなく、彼らに”青春”を想起させながら「若々しさ」というブランドメッセージで販売戦略を考えていく」という戦略だと思うのです。

そして、僕はこれはとてもかっこいいなぁと思っています。
客層にこびておっさんくさいCM流してもヌードルが昭和の産物になっちゃうだけですから。

「クリエイティブでは若々しさを演出しながらも、でも実は狙っているのはミドル層ですよ」という戦略の妙。

カップヌードルのさすが感あるなーと思うやつでした。